このページでは、麦生集落の主な産業を紹介しています。
農業 ◆タンカン、ポンカン、観葉植物、お茶等
麦生の産業の歴史を振り返ると、明治のころまではカツオ漁が盛んでした。大正時代にはトビウオ漁と黒砂糖を中心に、材木、下駄、ガジュツが輸出品であったと記録されています。現在の主要産業は果樹のポンカンとタンカン栽培ですが、ポンカンは大正から昭和の初めにかけて栽培され始め、タンカンは昭和34年から本格的に栽培されています。
麦生は温暖な気候にあり、南斜面の山麓ではみかんの仲間のタンカン、ポンカン、ハウスではマンゴー、パッションフルーツ、観葉植物、露地ではジャガイモ、サツマイモなどの農産物が作られています。米やその他の野菜については自家用生産がほとんどです。
果樹 ◆タンカン・ポンカン(みかんの仲間)の栽培適地
タンカン(たんかん)

たわわに実るタンカン
タンカンは、ポンカンとネーブルオレンジの交配でできたミカンの仲間です。温州ミカンより一回り大きな実です。香り高く、甘味と酸味のバランスがよく、果汁が多いので、一度食べたらファンになる方が多いです。外の皮を手でむくとオレンジのよい香りが部屋中に広がります。
麦生は生産適地ですからおいしいタンカンができます。島内でも麦生のタンカンは人気があります。
規格外の実はジュースにされますが、このタンカンジュースもまた人気です。収穫時期は2月。「桶柑」と書くそうです。
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ポンカン(ぽんかん)

ポンカンの皮は手でむけます
ポンカンはみかんの仲間です。実は温州ミカンより一回り大きくて糖度が高く酸味の少ないかんきつ類です。皮は温州ミカンのように手でむけます。皮をむくと独特の甘い香りがします。中の袋も薄いのでそのまま食べられます。
12月上旬ころ~収穫、出荷されます。椪柑、凸柑、と書くそうです。島内でも麦生は栽培の適地でおいしいポンカンが実ります。
⇒ ポンカン収穫の写真はこちら
マンゴー

完熟マンゴー
熱帯原産のフルーツです。芳醇な香り、濃厚な甘み、トロリとした柔らかい食感に、初めて食べられた方は感動されます。生産農家では、樹上で完熟し自然落果(ネットの中に落ちます)したものをお届けしています。主な収穫期は7月~8月ころです。
パッションフルーツ

中身をスプーンですくって食べます
和名は「果物時計草」。熱帯原産のフルーツで時計にも見える花が咲きます。外皮にシワが出るころが食べごろで甘酸っぱくトロピカルな香りがなんとも言えずおいしい果物です。ツルンとした中身を種ごとスプーンですくって食べます。7月~8月ごろが収穫期です。
園芸
観葉植物

観葉植物のハウス
ドラセナなどの観葉植物がハウスで育てられています。主に切花として鹿児島市の花市場に出荷されていますが、島内の各所でも売られています。ドラセナは水だけでかなり長持ちする植物で、島の人はお墓の供花として使っています。島のお墓は各集落のそばにあるので、いつもお花が豪快に生けられています。それらを引き立てているのがドラセナです。
お茶
お茶

3月の茶畑
屋久島はおいしいお茶栽培の南限地だそうです。温暖な気候、多くの生命を育む大地で栽培されたお茶の葉は鹿児島の茶市場に出荷されています。屋久島の新茶は4月上旬から中旬の初めに収穫されるので、日本で一番初めに出回る新茶となります。
野菜など
サツマイモ、うこん、カボチャ他

うこん畑
屋久島は山岳の島のため、耕作適地が多くありません。麦生集落も明治時代の終わりころまでは自給自足程度の畑があっただけでした。明治41年から耕地整理事業が始まり苦難の水路工事をへて稲作のための田ができ、大正2年の事業完了で麦生は本格的な農村に移行した、と郷土誌には書かれています。
現在、田畑では、米のほか、焼酎用のサツマイモ、カボチャ、薬草のガジュツ(うこん)などが主に作られています。
商業 ◆郵便局、日常生活用品は集落の中でそろいます
普段の暮らしでは集落内のお店で用が足せます。集落から出ると、スーパー(農協系のAコープ)は車で10分のところに、銀行は車で15分、ホームセンターと大型ドラッグストアは車で35分のところにあります。また、ガソリンスタンドは車で5分、コインランドリーも車で5分のところにあります。その他、八百屋さんと花屋さんの移動販売車が決まった曜日に来ますので、車が利用できない人にも便利です。
集落内の生活のお店
簡易郵便局 集落唯一の金融機関

麦生簡易郵便局
集落内では他に金融機関がありませんし、農協や銀行に行くには車がないと不便です。だから簡易郵便局の存在はとても心強いものがあります。
切手、印紙、はがきが買えます。速達、書留郵便物、ゆうパックが出せます。ATMはありませんが、窓口で通常貯金や定額貯金の入金、払戻し、口座振替ができます。かんぽ生命保険のことも取り扱っています。
休業日: 土・日・祝日 営業時間:9時から17時まで
雑貨店 岩田屋

岩田屋
日常生活に必要な雑貨はたいてい揃っています。祝儀袋やせんたくばさみ、野菜の種、カップめん、お菓子、アイスクリーム、ジュース、などなど、コンビニエンスストアのようです。
クロネコヤマトの宅急便が出せます。
年中無休(正月休) 朝6時から夜8時まで営業。
鮮魚店 瀬山鮮魚店

瀬山鮮魚店
新鮮でおいしい刺身ならここです。遠くの集落からもお客さんが来るので夕方は順番待ちがあることも。目の前で女将さんが鮮やかな手つきで魚をさばいてお刺身にしてくれます。
お安いので日常的にぜいたくなお刺身が食べられます。民宿の方々もここでお客さん用のお刺身を注文されています。
女将さん曰く、島外に用事に行かない限りお店は開いています、とのこと。お刺身が買えるのは基本的に午後から。
酒・たばこ・米店 栄屋

栄屋
お酒類、たばこ、お米、パン、お菓子、おつまみ類、豆腐、ハムなど加工品他があります。小さな集落内で、お酒やお米のような重量のあるものが近所で買えるのは便利です。集落内で「飲ん方・のんかた=飲み会」があるときに、近くで冷えたビールがすぐに買えるのも、コンビニなどお店がない田舎では、とても貴重です。
年中無休(お正月休み)、朝7時から夜9時まで開いています。
無人市

無人市のひとつ
集落内には3箇所の「無人市」があります。それぞれの農家が季節の新鮮な野菜や花を出しています。たいていは一品100円で販売されており、代金は備え付けの木箱などに入れていく仕組みです。
麦生は島内の無人市発祥の地です。